浮島沼自然・里つくりの会とは

 最近、高度経済成長期以降失われつつある生物多様性を取り戻そうとする機運が高まっています。浮島ヶ原は、静岡県版レッドデータブック2004に”今守りたい大切な自然”の一つに挙げられた、多様な湿原植生の貴重なすみかです。また浮島ヶ原は、そのほとんど全体が農業地域で、かつては生物多様性保全と農業とは両立していましたが、近年の、農業基盤整備による土地改良事業、また宅地化や商業地化、工業用地化、さらに不適正な土地利用によって、それらの貴重な野生生物は、いまや絶滅に近い状態にあります。 そこで、現在ではもはやわずかしか残されていない貴重な野生生物を保護するとともに、失われた自然環境や生態系を再生・復元することが求められています。そのためには、浮島ヶ原に現存する貴重種などの生息状況を調査するとともに、農家との連携を強め、野生生物との共存方法の検討と提示により、かつての生物多様性保全と農業との両立を取り戻す必要があります。また浮島ヶ原の一部を整備し、自然環境や生態系を再生・復元して、市民に開放し、浮島ヶ原の自然と親しみ、学ぶ場を提供することにより、浮島ヶ原の多様な自然環境に対する愛護意識を高め、自然と共存するための意識や行動力を育てる必要があります。それらが達成されると、自然と人間が共生できる豊かなまちづくりの実現に寄与できると考えられます。 以上の実現のため、私たちは、浮島ヶ原の野生生物調査やその保全のため調査研究、浮島ヶ原の保全、浮島ヶ原の自然環境保護に関する普及・啓発、環境教育を行う、「浮島沼自然・里つくりの会」を設立しました。

◆2005年5月設立

 

◆2020年4月からはNPO法人を返上して活動を継続中